きもの歳時記Vol.10  紅葉狩りの装い
紅葉狩り陳列
昔は秋に木の葉が彩づくことを「もみじ」と呼び、万葉集では黄地(もみじ)と詠んだ歌の方が紅葉よりもはるかに多かったのです。それがいつしか、紅葉こそ月と並ぶ秋の景物とされました。赤く色付く木の葉はすべて紅葉なのに、日本人の心には、すぐ「楓(かえで)」が思い浮かんできます。「楓」の鮮やかさが、とりわけ紅葉と表現されたのです。名所、竜田川に流れる紅葉も高尾の山を染める紅葉も、楓こそがふさわしい、そして楓あればこそ、日本の紅葉は世界一美しいのです。
紅葉狩り展示
 万葉の時代から、紅葉を愛でる秋山への行楽は歌に詠れ、平安時代には春の「桜狩り」と並んで、秋には「紅葉狩り」と人々に山や野に誘う風情が楽しまれました。天智天皇が詠んだ歌に「春山万歌の艶(におい)と秋山千葉の彩」と言わせたほどに、春と秋の優劣はつけ難く、特に散り行く紅葉に「もののあわれ」を感じてきた日本人が、冬へ向かう季節の中で最後の輝きを放つ自然の色彩感に心華やいだのも事実でしょう。
11月のきものの会をちょっと気分を変えて、きもの姿で紅葉狩りというのはいかがでしょうか。あるいは季節にふさわしいテーマ、「紅葉」を風流な和の演出とともに特集されるのはいかがでしょうか。店舗の活性化と小売店のイメージアップにつながります。

いまシアター感覚で、きものを着る機会を提案しています。
小紋と帯 小紋