さくらの会 きもの歳時記
Vol.3

さくらの会
桜は古来、日本人には特別に賞美されてきた花で、国花でもあります。桜前線の北上とともに、日本各地で花見に繰り出す人が多く、朝桜、昼桜、また光の中に浮かぶ夜桜と、その美しさを愛でてきました。そして咲き始めてから散るまでの期間が短いことから、そはかなさが日本人の心をくすぐり、花への憧憬と花に託した人生への思いが、多くの詩歌を生み出してきました。この時期に花に託して、着物に桜の柄を取り入れて御召しになりますと、その清廉な華やかさが着る人の美意識を表現し、周囲の人を和ませてくれます。桜の樹下で、間近に仰ぎ見る桜の美しさと着物姿は、まさに日本人ならではの美の競演と言えます。
桜展示 桜の会展示
(花見)
弘仁三年(812年)二月十二日嵯峨天皇は、神泉苑で花を見、文人達に詩を作らせたのが、「花宴」の節会の始まりと、「日本後紀」にあり、花は桜とされています。内裏の紫宸殿前庭には左近の梅と右近の橘があり、承和十二年(845年)には梅花の宴が催されていましたが、やがて梅は桜と交代しました。花見といえばおもに桜となり、山野の花見は桜狩りと称して、時代が降るにつれて花見は公家から武家、近世には都市住民のものとなり、今日に至っています。
桜展示